変化する要件と厳しい納期を満たすために再利用性を最大限に高めて行う自動駐車システムの設計およびテスト

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"新世代カメラには新しいカスタム通信プロトコルが搭載されています。PXIモジュール用FPGA構成可能アドオンのFlexRIOを使用することで別システムで再設計が必要になるのはDUTと他システムとの間のインタフェースとなるアダプタボードのみです。PXIプラットフォームを使用することで必要な柔軟性を確保しつつ、DAQ機能やHIL環境といった共通要素を再利用できます。"

- Derek O'Dea, Valeo

The Challenge:
車両安全システムは、ソフトウェアコンポーネントの増加によりますます複雑さを増す一方で、開発期間は短くなっています。私たちは、自動駐車システムの設計およびテストをより効率的に行うために、従業員のスキルセット、ソフトウェア、およびハードウェアを再利用するシステムを開発する必要がありました。

The Solution:
NIプラットフォームを使用すれば、最小限のシステム変更だけで設計から量産テストまで進めることが可能です。要件の変更に対応し、短い開発期間でプロジェクトを完了することができます。

Author(s):
Derek O'Dea - Valeo

NIWeek 2017基調講演でValeo社のDerek O’Dea氏が「高度なセンシング」を語る様子

Valeo社は売上165億ユーロの大企業であり、数々の大手自動車ブランドにコンポーネントおよび技術を供給する、世界最大級のサプライヤです。同社の計測機器およびツールの担当グループは、ソフトウェアコンポーネントの増加によりますます複雑化する安全システムで使用されるコンポーネントを検証しています。同時に、従来は2年だった自動車の開発サイクルは徐々に短くなっており、スケジュールを圧迫しています。お客様の要求に応じた設計が重要ですが、設計の開始段階ではお客様が必要なもの全てを把握していることはめったにありません。その結果、機能と要件は刻々と変化し、プロジェクトスケジュールは、複雑で余裕のないものになります。

Valeo社が特に関心を寄せる分野は自動駐車システムです。このカメラベースのシステムは、複雑な組込システムが必要で、複数の設計段階があります。第1段階は、コンピュータビジョンのアルゴリズムを調整することです。このために、広範な計測タイプに対応して様々なセンサおよび自動車ネットワークと連動できる、NIのモジュール式PXIハードウェア制御プラットフォームを使用しています。まず、PXIシャーシを車両に取り付け、通常な運転状況におけるカメラ、超音波、車載ネットワーク、環境センサのライブデータに接続します。その後、ベンチでこのライブデータを使用して、コンピュータビジョンのディープラーニングアルゴリズムのトレーニングと検証を行います。トレーニングが終わると、アルゴリズムをカメラシステムに付属する実際のECU(電子制御ユニット)にデプロイします。これにより、ソフトウェアがデプロイされた状態でECUをいかにテストするかという課題が生じます。

実世界のシナリオでECUを包括的にテストする必要がありますが、路上テストは非常に費用が高いため、全てのシナリオをテストすることは不可能ではないものの、かなり困難です。HIL(hardware-in-the-loop)テストを実施することで、シミュレーション環境と実環境のセンサデータを組み合わせて、テスト対象の組込コントローラを、実際の環境であるかのように動作させます。これにより、何千というシナリオを実行して、システムの信頼性と安全性を確保できます。

テストシステムの構築では、同じPXIハードウェアを異なる用途で使用します。物理的なセンサに接続する代わりに、ECUが物理的に車両に取り付けられた場合の全てのセンサ入力をシミュレーションすることで、PXIは広範なHILテストを実行します。グラフィックカードと多数のPXI I/Oを使用して、仮想世界の中で、検査対象デバイス(DUT)が制御できる仮想の車を作成します。これは、デバイスが仮想の車をどれくらいうまく制御できるか評価するのに役立ちます。要するに、ソフトウェアを使用して、センサとコントローラで構成される複雑なシステムの機能を検証できるよう、テスト環境をシミュレーションするのです。

並行して、先ほど車両に取り込んだセンサデータをECUに再投入して、ECUが車内に搭載された場合と全く同じセンサデータを受信するようにできます。HILベンチと実際の車両で同じテスト結果を得るためには、複数のセンサストリームの時間同期が重要です。ここでPXIでの完全な時間同期が必須となります。

NIのモジュール式ハードウェアに基づくこの柔軟なテストシステムは、変化する機能や要件に対応するという当社のニーズを満たしましたが、依然として厳しいスケジュールという課題が残っています。この課題に対処するため、私たちは効率化に焦点を当てました。ツールの再利用を促進し、プロジェクトの複数の部分で作業するために必要な知識をスタッフに習得させました。

ツールについてですが、例としてソフトウェアIPを考えてみます。私たちはLabVIEWを使って、設計プロセスにおける複数の段階を通じて実装できる、また複数のプロジェクトに実装できる、共通のソフトウェアツールを作成しています。プロジェクトのコンセプト段階から本格的な生産まで同じテストコードを使うことを想像してください。これが私たちの目標です。通常はコードの80%を再利用できています。

コードの再利用に関しては大きな成功を収めてきましたが、カメラモジュールごとにハードウェアを変更しなければならない部分については検討する必要があります。新世代のカメラには通常新しいカスタム通信プロトコルが搭載されています。PXIモジュール用のFPGA構成可能アドオンであるFlexRIOを使用することで、違うシステムによって再設計が必要になるのは、DUTとそれ以外のシステムの間でインタフェースとして機能するアダプタボードのみです。また、PXIプラットフォームを使用することで、必要な柔軟性を確保しつつ、データ収集機能やHIL環境といった全ての共通要素を引き続き再利用できます。

短い納期を守るために重要なもう1つの要素は、人材です。私たちはチーム全体でLabVIEWの操作を習得しました。エンジニアはFPGAコードに加えて、データ収集、車両インタフェース、HILシミュレーションなどの作業を行うことができます。NIプラットフォームのおかげで、新規プロジェクト受注時に、チーム、ソフトウェアIP、コアハードウェアシステムを最大限再利用できます。プロジェクトの切り替え時に唯一変更が必要なのは、FlexRIOアダプタモジュール一点のみです。メンバーをプロジェクト内の他の役割にシフトできるので、誰も同じタスクに飽きてしまうことがなく、チームのモチベーションを維持できます。これはチームにとって大きな資産であり、私たちにとって大きな成功です。

NIプラットフォームを使用することで、私たちは要求の厳しい業界の絶え間ない進化に対応しています。新しい技術が導入され、絶えずスケジュールに追われていても、効率的に作業すればこのような課題に対処できると確信しています。スキルセット、ソフトウェア、ハードウェアを再利用することで、現在の取り組みを成功させるだけでなく、将来の課題にも対応できる自信がもたらされるのです。

Author Information:
Derek O'Dea
Valeo
Dunmore Rd
Tuam
Ireland

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