Qualcomm Atheros社、NI PXIベクトル信号トランシーバとNI LabVIEWを使用して無線LANテストの速度向上と受信範囲拡大を実現

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"ソフトウェア設計のNI PXIベクトル信号トランシーバとNI無線LAN計測ツールキットを使用したことで、従来のラックアンドスタック型計測器に比べテストの速度が200倍以上に向上したと同時に、テスト範囲も大幅に拡大されました。"

- Doug Johnson, Qualcomm Atheros

The Challenge:
増え続ける無線規格をトラッキングすることで、無線LAN(wireless local area network)テストの精度は下げずにコストを抑え、複雑化するデバイスの特性評価の回数を少なくする。

The Solution:
NI PXIベースのベクトル信号トランシーバとNI LabVIEW FPGAモジュールを使用して、従来のラックアンドスタック型計測器に比べテストの時間を200分の1にまで短縮する柔軟性に富んだカスタム無線LANテストシステムを作成した結果、テストの費用が削減できただけでなくデバイスの特性評価品質も向上した。

Author(s):
Doug Johnson - Qualcomm Atheros

Qualcomm Atheros社は、20年以上にわたってネットワーク、家庭電化製品、コンピュータ、モバイルデバイス通信向けの次世代無線技術を提供してきたトップ企業です。現在は、新しい接続型アプリケーションのニーズに応えるため、WiFiなどの高スループット無線技術の発展に取り組んでいます。最新のQualcomm Atherosチップは、最新のWiFi規格である802.11ac対応の3系統のMIMO(multiple input, multiple output)トランシーバです。

新しい無線LANテストシステムの要件

無線規格が複雑化する中、そのようなデバイスの動作モードの数は飛躍的に増加しています。最新の802.11 WiFi規格に対応するにあたって、新しい変調スキームを導入し、チャンネル数や帯域設定を増やしているほか、空間ストリームも追加しています。さらに無線LANトランシーバの特性評価は、数千に及ぶ個別の動作ゲイン設定への対応となると特に高難度です。

無線LANトランシーバの各コンポーネントには、複数のゲインステージがあります。Qualcomm Atheros社の開発チームは、高性能ラジオを低コストのCMOSプロセスで開発するため、ラジオ構造の各ステージでの柔軟な操作に依存しています。複数のゲイン設定により、ステージが追加されるごとに設定の組み合わせ数は幾何学的に増加し、1つの動作モードでデータポイント数は数十万にも及びます。そのような大量のデータポイントは無線トランシーバ1個分でしかなく、複数のアンテナを使用するシステムのMIMO構成では置換数がさらに増加します。このように設定の組み合わせが幾何学的に増える中で、テストにかかる時間を増やさないようにするのは容易なことではありません。

図1. 一般的な無線LAN受信機のブロックダイアグラム例。各コンポーネントに複数のゲインステージがあるため、1つの受信機で数十万通りのゲイン設定が可能になります。

NI PXIベクトル信号トランシーバとLabVIEW FPGA

Qualcomm Atheros社では、テスト時間に関連する難題に対処するため、NI PXIe-5644Rベクトル信号トランシーバを使用しています。NI PXIe-5644RにはオンボードFPGAが搭載されているため、チップとのデジタルインタフェースを、ベクトル信号トランシーバに付属のRF信号発生器/アナライザと同時に制御することができます。

従来FPGAのプログラミングには、VHSICハードウェア記述言語またはVerilogが使用されてきました。多くの技術者や研究者は、複雑なプログラミング言語に精通していないため、FPGAコードの生成プロセスを簡素化する高レベルツールを必要としています。LabVIEWは並列性とデータフローを明確に表すので、従来のFPGA設計の経験がないユーザでも、再構成可能ハードウェアのメリットを活用することができます。

Qualcomm Atheros社では、LabVIEWを使用してNIベクトル信号トランシーバに搭載されたFPGAをプログラミングし、テスト対象デバイスの制御とデータ処理を行いました。コントローラとの間でバス経由でデータを送受信するのではなく、計測器自体で処理を行うことができるため、テスト時間が大幅に短縮されます。

図2. Qualcomm Atheros社では、LabVIEWを使ってテスト対象デバイスをデジタル的に制御することで、NIベクトル信号トランシーバ上のFPGAをプログラミングしています。

従来のラックアンドスタック型計測では、推測でゲインテーブル選択をするしかありませんでした。Qualcomm Atheros社のチームは、このセットアップで、反復評価により最終的なソリューションを決定しましたが、各評価で繰り返しゲインテーブルの特性評価が必要でした。それは、各反復につき意味のあるデータポイントが40個ほど生成される時間のかかるプロセスでした。

NI PXIベクトル信号トランシーバに切り替えたところ、テスト時間の短縮により、対話式アプローチの代わりにゲインテーブルのフルスイープが可能となりました。そのため、デバイスあたり1回のテストスイープで無線操作を全範囲にわたり特性評価して、300,000にのぼる全データポイントを集録することができたため、より適した操作設定を経験的に決定することができました。このデータにより、かつては不可能だったデバイス操作を確認することができ、以前は考えられなかったような操作計画も立てることができました。

図3.従来型計測では、1回の反復で集録できる無線LANトランシーバの有意データは約40ポイントほどです。NI PXIベクトル信号トランシーバの速度向上によって、ゲインテーブルのフルスイープをトリガして全300,000ポイントを集録することができました。

デジタル制御のタイミングを計測器のRFフロントエンドで直接同期することで、以前のPXIソリューションに比べ20倍以上、従来型の計測器を使用したソリューションに比べると最大200倍ものテスト速度の向上が見られました。

図4. デジタル制御のタイミングを計測器のRFフロントエンドで直接同期することで、以前のPXIソリューションに比べ20倍以上、従来型の計測器に比べると最大200倍ものテスト速度の向上が見られました。

自由度と柔軟性、テストスループットの向上

RFテストプロセスの効率性を維持するためにRFテストプロセス計測の柔軟性と各信号ピンに至るまでの制御ができることは極めて重要であり、新しいNIベクトル信号トランシーバをテストに使用したことでパフォーマンスが向上しました。NI PXIe-5644Rを使用すると、顧客向けの802.11acソリューションの開発が自由かつ柔軟になり、テストスループットも大幅に向上します。

このアプリケーションの詳細については、下記までお問い合わせください。
Erik Johnson
Product Manager, RF and Wireless Test
National Instruments
512.683.9916

Author Information:
Doug Johnson
Qualcomm Atheros

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