VOR(超短波全方向式無線標識)を用いた電離圏擾乱観測システム

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"LabVIEWによりプログラム開発がより簡単になり、観測場所にいることなくVORの伝搬状況を常時観測してくれるシステムができました。またTCP/IPを用いてPCをリモート操作すれば離れた場所からでも操作することができるようになりました。"

- 山幡 琢也氏, 電気通信大学 電子工学科 冨澤研究室

The Challenge:
この観測システムはデータ収録とデータ解析の2つの工程に分かれている。データ収録部分ではLabviewを用いて、アンリツ製スペクトルアナライザーMS2683Aを常時リモート操作し、 VORで使用されている108MHz~118MHzの帯域のみを掃引し、スペクトルアナライザーから得られたデータと観測時の設定を保存し、データ解析部分では主録されたデータから108MHz~118MHzの帯域のデータをもとに電離層擾乱に関する情報を抽出することが必要となる。

The Solution:
この観測システムをハード面で分けるとVOR観測用-VHFアンテナ, アンリツ製スペクトルアナライザーMS2683A,データ収録・解析用PCの3つに分けられる。

Author(s):
山幡 琢也氏 - 電気通信大学 電子工学科 冨澤研究室

【背景】
現在、電気通信大学付属宇宙・電磁環境研究センターの冨澤研究室では電離圏擾乱の研究として、HFドップラー、GPS衛星信号を用いて電離圏擾乱の観測を行っている。今回、VOR(超短波全方向式無線標識)を用いた電離圏擾乱の観測を始めるにあたり、アンリツ製スペクトルアナライザーMS2693Aを用いて、観測データを収録し、解析を行うシステムが必要となった。そこでLabVIEWとNI製のGPIB-USB 6820を利用して観測データを収録、解析するプログラムを構築することに至った。

【課題】
この観測システムはデータ収録とデータ解析の2つの工程に分かれている。データ収録部分ではLabviewを用いて、アンリツ製スペクトルアナライザーMS2683Aを常時リモート操作し、 VORで使用されている108MHz~118MHzの帯域のみを掃引し、スペクトルアナライザーから得られたデータと観測時の設定を保存し、データ解析部分では主録されたデータから108MHz~118MHzの帯域のデータをもとに電離層擾乱に関する情報を抽出することが必要となる。

【ソリューション】 
システム構成
この観測システムをハード面で分けるとVOR観測用-VHFアンテナ, アンリツ製スペクトルアナライザーMS2683A,データ収録・解析用PCの3つに分けられる。

図1:システム構成図

図1にシステム全体図を示す。まず、VOR観測用VHFアンテナから得られるRFをデータ観測・解析用PCからGPIB-USB6820でリモート操作を行い、スペクトルアナライザーMS2683Aで108MHz~118MHzの帯域において掃引を行う。そのデータをGPIB-USB6820からデータ観測・解析用PCに収録する。なお、このデータ収録プログラムはLabviewを用いて記述されている。このプログラムはスペクトルアナライザーから得られたデータを1時間ごとにファイルに分割し、データ観測・解析用PCに記録する。図2はVORを用いた電離圏擾乱観測システムの観測・収録用viの実際の画面である。

 
図2: VORを用いた電離圏擾乱観測システムで使用している実際の画面

ベースパス(保存フォルダ)を指定すれば、そのフォルダにそれぞれ年,月,日に基づいたフォルダを生成し、その生成されたフォルダ内に時刻に基づいた観測されたVORのデータを収録する。なお、更新時間(s)によって指定された時間ごとにファイル名を変えて保存するようになっている。

ベースパスを指定し、VISAリソース名にGPIBのI/Oを入力して、実行ボタンを押すとVIが動くようになっている。ステータスの部分はGPIBを通して受けとったスペクトルアナライザーでの各種設定を表示している。フロントパネル上の左上のグラフ”Realtime_freq(trace A)”には常にスペクトルアナライザーによって掃引された生データが表示されるようになっており、正常動作をしているかどうかの確認になる。フロントパネル上の右上のグラフ”freq_time_intensity”は直近1時間でのスペクトルアナライザーから掃引されたデータ、フロントパネル上の左下のグラフ” average-intensity_freq”は直近1時間でのスペクトルアナライザーから掃引された108MHz~118MHzまでのデータの平均値、フロントパネル上の左下のグラフ” freq_time_residual-intensity”から”average-intensity_freq”を引いたものでありこの4つのグラフを効果的に使用することで電離圏擾乱の突発的発生をより早く観察できるようにしている。

【結果】
このシステムにおいて、LabVIEWはGPIBを利用することでスペクトルアナライザーをリモート操作を行うのと並行してデータ収録・解析をする部分にプログラムに用いられている。LabVIEWによりプログラム開発がより簡単になり、観測場所にいることなくVORの伝搬状況を常時観測してくれるシステムができた。またTCP/IPを用いてPCをリモート操作すれば離れた場所からでも操作することができるようになった。

観測で使用されるデータ収録・解析PCは24時間駆動し、データの収録と解析を並行して行う動作をするため、安定した動作が求められるが、今回開発したプログラムでは3か月以上動作させても問題は生じなかった。また、グラフ表示と収録するファイル形式を用意に変更できるので開発期間が比較的短くすることができた。

以上よりLabVIEWを用いてデータ収録、データ解析を行うプログラムが構築でき、開発期間の縮小につながった。

 

Author Information:
山幡 琢也氏
電気通信大学 電子工学科 冨澤研究室

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