インクジェットプリンタの電位計測効率を大幅に改善したマルチオシロシステム

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"本システム導入により、今までの1/10の作業時間を実現する事ができました"

- K. Hirasawa, E.I.SOL Co. Ltd.

The Challenge:
インクジェットプリンタの内部評価を行うための計測作業を大幅に効率化させること

The Solution:
市販品に類似ソフトウエアもあるが、測定の自動化・様々な使用者を想定した手順の自動化・メンテナンスや今後の仕様追加の事を考慮すると、そのようなシステムは世の中に存在せず、LabVIEW及びNI社製品の採用に至った。

Author(s):
K. Hirasawa - E.I.SOL Co. Ltd.

インクジェットプリンタは年間数多くの新製品が投入されている。そこで、インクジェットプリンタの内部評価を行うための計測作業を大幅に効率化させることを目的として本システムが開発され、キヤノン株式会社に納入した。今回の開発にあたって、測定の自動化や、様々な使用者を想定した手順の自動化とメンテナンス、さらに今後の仕様追加などを考慮したところ、対応可能な汎用品が存在しなかったため、NI の LabVIEWとPXIを使用し、システムを開発するに至った。
本システムは、企画・構想・仕様をキヤノン株式会社、実現検討・設計・システム開発は、プリンタ・複写機向けシステムに多くの実績をもつ、アライアンスパートナーの株式会社イー・アイ・ソルが委託を受け、行った。

システム構築

<測定>

  • デジタイザは、PXI-5105を3枚採用。最大24ch、60MS/s/chのデータ取得が可能。
  • 但し、PXI-5105は最大5枚まで使用可能となるよう、最大40chとしてシステム構築。
  • 多量のデータとなる為、測定後、一旦HDDに落としてからでは、波形表示~解析の処理に時間が掛かる。そこで、これらの処理の高速化を図るべく、PXIコントローラ内のメモリをRAMディスク化。
  • WindowsXP 32bitOSではあるが、PXIコントローラのメモリを8GBとし、3GB:システム、5GB:RAMディスクとした。これにより、メモリ:5GBを高速のHDDのような形で使用可能となる。
  • PXI-5105内のオンボードメモリ512MBにデータ取得後、RAMディスク化したメモリに格納。RAMディスク内に格納された生データを使用し、波形表示・各種解析を行う。これにより、HDDに格納したデータの表示~解析を行うより、10倍以上の高速化処理を実現。
  • RAMディスクに格納された生データを保存するが、PXI内HDDに保存ではなく、HDD-8264に保存を行う為、600MB/sの書き込みが可能となる。(TDMS形式)

   ※参考:RAMディスクによる書き込み速度:5GB/s。(EISOL実験結果)

 

<測定イメージ>


<表示>

  • SXGAモニタ2台(2560×1024)対応。
  • PCの画面を生かしたオシロスコープライクなグラフ表示。
  • 画面を横に広げても、レンジはそのままに表示範囲が広がる高速表示・更新。
  • 2つのカーソルにて、任意に指定したエリアの拡大表示。
  • 全体波形のどの位置を見ているのかが分かる、ハイライト表示。

 

<メイン画面>

 

<トリガ>

  • PXI-5105チャンネルのレベルトリガ。
  • PXI-7833Rを使用した、FPGAトリガも採用。
  • アナログ
      ・アナログエッジ
  • デジタル
      ・タイミング系
       パルスエッジ/パルス幅/パルス周期/パルス周波数変動/パルス数/パターン
       /タイムアウト
  • 複合トリガ
       ・イベントフロー2段とAND条件(4個)を設定可能。
        タイミング系のトリガ条件を複数組み合わせてトリガ条件とする事が可能。
  • オシロスコープへのトリガ出力
       ・PXI-7833Rより、外部オシロスコープへのトリガ出力機能搭載。

<解析>

パルス幅時間計測、Glitch、MaxMin等、周期変動、Jitter、FFT、
シリアルコマンド(シリアルコマンド(I2C、UART、SPI、モータドライバ)等

28種類の解析機能。

 

<解析画面(シリアル解析例)>

 

 

<解析画面(パルス解析例)>

 

<解析設定画面>

<レポート>

  • LabVIEWのアドオンツール、レポート生成ツールキットを使用し、Excel2007/2010にて、レポートの自動作成が可能。
  • 測定後、解析を行ったデータを使用し、Excelファイルにグラフの貼り付けやデータ書き込み等の自動化を実現。
  • 今まで、測定後に手入力していたレポート作成作業を、自動化する事により、大幅に改善。

<自動化>

  • スクリプトを使用し、測定/解析の手順を使用者が任意に「シーケンスファイル」を作成出来るようにした。
  • 測定チャンネル、サンプリングから、先述した解析までが設定可能。これらの機能を一度設定し、ファイルを作成。
  • これにより、シーケンスファイルを作成しておけば、全てがボタン1つ、自動化を実現。
  • シーケンスファイルは、使用者が任意に作成・保存が可能となる為、本システム使用時に、作成したシーケンスファイルを読み込めば、試験の再現も可能となる。

<オフライン処理>

  • ハードディスクに保存された生データを使用し、同様の解析が可能。
  • 通常測定時同様に、保存データについてもRAMディスクに格納し、各種解析を行う。
  • これにより、ハードディスクとのアクセスがない為、オフライン処理についても、高速化を実現。

<所有オシロスコープとの連携>

自社には百数十台のオシロスコープを所有しており、それらの資産を有効活用するため、使用頻度の高いオシロスコープ9台をネットワーク対応し、本システムに接続出来るようにした。
これにより、測定はオシロスコープ、解析・レポートは本システムで行う事も可能となった。
オシロスコープは、メーカー・機種によりファイル保存形式が異なり、解析するには別ツールにて変換が必要であったりと手間が掛かり、活用しにくかった。
本システムでは、ファイルを取り込む事により、どの機種で取り込んだかを自動判別。これにより、全く同じソフトウエア、操作、表示、解析が可能になった為、データの可用性が格段に向上した。
オシロスコープは、事象の確認と波形データ取り込みまでとし、詳細データ解析はPC側で行えるようになった為、1つのオシロスコープを占有しなくて済むようになり、結果としてオシロスコープ自身の可用性も向上した。
オシロスコープにて測定を行えば、データ移行→解析→レポートまでを全てボタン1つで自動化を実現した。

この機能により、オシロスコープしかもたない研究者にも、本ソフトウエアをPCにインストールする事で、本ソフトウエアが使用可能となる為、多くの研究者にて使用可能となる。

システム構成図


システム導入メリット

  • シーケンスファイルを使用者が任意に作成・保存する事が実現できた為、ファイルを作成した後からは、ボタン1つで測定~解析~レポート作成まで自動化が可能となり、作業行効率が大幅に改善された。
  • 最大24chのデジタイザを使用している為、市販オシロスコープにはない、多チャンネルシステムの構築が可能となった。
  • オシロスコープでは一瞬の現象確認となるが、デジタイザを使用する事により、ロングレンジの時間範囲測定が可能となった為、波形頻度の確認等、今までにない解析が可能となった。
  • RAMディスクを採用する事により、ハードディスクアクセスがなくなり、表示・解析処理の高速化を実現。
  • PXIシステムの採用により、今後、高速デジタイザボードの採用となる際にも、モジュール交換だけで対応可能となり、ソフトウエアはそのまま使用出来る。
  • 多量のデータ保存が可能となる為、保存データを使用した再解析が可能となる。
  • 所有済みのオシロスコープも本システムに接続可能となる為、資産の有効活用が可能となり、かつ様々な研究者にて使用可能となった。
  • ソフトウエアは、インストーラ形式としている為、使用PC全てにLabVIEWがインストールされている必要がない。
  • LabVIEWを採用している為、今後の仕様追加等の改造も自分自身で行う事が可能。

システム導入効果

 本システム導入により、今までの1/10の作業時間を実現する事が出来た。

Author Information:
K. Hirasawa
E.I.SOL Co. Ltd.

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