NI Universal Software Radio PeripheralとLabVIEWを使用して実践型の無線通信実験システムを開発

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"LabVIEWとNI USRPというソフトウェア/ハードウェアを組み合わせたことで、完全な通信システムの信号チェーンの各要素を作成し詳しく調べることができました。"

- Dr. Sachin Katti, Stanford University

The Challenge:
理論とシミュレーションのみに留まらず、入門レベルの無線通信クラスの学生にも実際の信号を使った実践型の実験学習を体験してもらう。

The Solution:
スタンフォード大学の2年生レベルのEE 49ネットワークシステム構築コースで、NI USRPとLabVIEWのソフトウェア無線プラットフォームを使用して、無線通信概念を実践形式で学べる実験を行った。

Author(s):
Dr. Sachin Katti - Stanford University

実世界信号を実験で使用する

従来RF/通信関連の教育は、数学を多用した理論的な方法で行われ、学生は公式を導き出したりシミュレーションを作成したりしていました。多くの教育者は、学生が学んだ理論を試作の実装や実信号での実験に適用できるよう、実験要素を学習に加えることの価値を認識していましたが、手頃な価格で手に入りやすい適切なツールがなかったため、実現には制約がありました。

Stanford Networked Systems Group(SNSG)のSachin Katti教授は、LabVIEWソフトウェアとNI USRPハードウェアを使用した新しい方法を「EE 49ネットワークシステムの構築」コースに採用することで、その問題を解決しました。Katti教授は、開発した教育ソリューションを使用して、2年生のクラスでソフトウェア無線を使ったリアルタイム通信信号について紹介しました。

完全な通信システムを構築する

Katti教授は、2011年春学期のEE 49コースの一部の学生に対し、この方式を初めて採用しました。LabVIEWとNI USRPというソフトウェア/ハードウェアを組み合わせたことで、完全な通信システムの信号チェーンの各要素を作成し詳しく調べることができました。その中で、学生はチャンネル符号化、変調、タイミング回復、ランダムビット生成など最新のデジタル通信システムに関連した多くのトピックについて実際に体験することができました。コースの最後では、送信機と受信機の連結を完成させるプロジェクトにも取り組みました。これは入門レベルのRF/通信コースではめったに扱わないトピックです。

授業で実験を行うことで学生はNI USRP RFトランシーバに実際に触れることができ、最大20 MHzの即時帯域幅で50 MHzから2.2 GHzの周波数範囲にリアルタイムでアクセスすることもできました。標準の車両遠隔操作型キーレスエントリデバイスや、850 MHzの携帯電話アップリンクから、シンプルなRFオンオフキーイング信号を即座に確認することができるほか、スペクトルを解析してFMラジオ局を見つけたり、さらにはFM復調器を実装してFMラジオ放送を聞くことさえできました。コースの最後のプロジェクトでは、データパケットが正しく受信され復号化されると確認応答信号(ACK)を返すパケットトランシーバを各学生が設計しました。

以降の実験では、通信システムの特定のコンポーネントの実装に取り組みました。例えば4回目の実験では、復調の概念について調べるとともに、二位相偏移変調(BPSK)無線受信機の部品をUSRP/USRPリンクに実装しました。1つの送信機で、BPSKパケットの情報を繰り返し送信し、学生が復号化しました。学生はそれぞれコンピュータとNI USRPを使用して、信号を復調および復号化する受信機を開発しました。2週間の実験プロジェクトで、チャンネル補正、BPSKシンボルデマッパ、予測検出スキーム、パケット復号化、巡回冗長検査(CRC)エラー検出コードなどを実際に行いました。実験を連続的に行ったことで、前の実験で開発したコードを最終の実験でパケット復号化に使用し、ワイヤレスリンクを確立することができました。

この試験的なコースに対する学生たちの反応は極めて肯定的で、それは現在4年生のMichael Duarte氏による以下のフィードバックからもわかります。

「講義で学んだことが実際の実験に適用されるところをこの目で確認できたのは素晴らしいことでした。このコースを受ける前はUSRPハードウェアのことはよく知りませんでしたが、LabVIEWを使用し理解するうちにデバイスのプログラミングに精通していきました。LabVIEW自体使用するのがとても楽しく、簡単にうまく動かすことができる上にデバッグもかなりシンプルです。総合的に見て、この授業はスタンフォードでのこれまでの3年間でも間違いなくお気に入りのクラスです。」

LabVIEWソフトウェアとNI USRPドライバを使ったことで、そのようなプロセスを実際に見て交信を行うことも簡単でした。LabVIEW開発パッケージは、NI USRPソフトウェア無線ハードウェアを使用した信号処理、プログラミングタスク、ハードウェア通信に極めて適しているため、受信信号の処理や送信用信号の同期のためのアルゴリズムを開発し、詳しく調べることが可能です。

教授と学生にとっての新たな可能性

Katti教授は次のように述べています。「学生たちに通信の概念を教える方法を根本的に変えかねない大きな変化が起こっています。全米の大学でECE(電子通信工学)の受講学生数は減っており、それは適切な実践型の授業を常に提供していないことが1つの理由と考えています。このソリューションなら、そのような問題も解決できます。」

学生たちによるコースの評価を見ると、彼らは高い関心を持って実験に取り組み、得るものも大きかったことがわかります。Katti教授もこのように述べています。「この授業の評価は素晴らしいものでした。クラス平均は5.0段階で4.94という高い評価で、これはスタンフォードの工学部の全クラスの中でも最高レベルのものでしょう。」

それは学生たちのコメントにも表れています。

「これまで受講した中で断然最高のEEクラスでした。」

「初めての開講としてはとてもよかった。実験は概念を実世界に当てはめて理解するのに非常に役立ったし、設計的にも面白かったです。この授業をEEの全ての友人に奨めたいと思います。」

「最高の授業でした。講義も面白かったし、実験ではハードウェアを使用することができて本当によかった。」

試験的なコースが成功に終わったため、Katti教授は秋学期にはNI USRP/LabVIEWプラットフォームを20の実験ステーションに導入し、40人以上の学生が使えるように拡張することを予定しています。教授は、このようなタイプのコースを受講することで、今後の信号処理/通信コースにも備えられると考えています。この教育ソリューションは誰にでも使いやすく、プラットフォームは情報理論や信号、システムなど、他の入門レベルの信号処理コースにも幅広く適用できます。また、このプラットフォームは学習レベルの向上に伴って拡張したり、研究や工業などよりハイレベルのアプリケーションに利用することも可能です。

LabVIEWソフトウェアとNI USRPハードウェアを使用すれば、学生の理解度の向上に必要な手頃で使いやすい適切なソリューションが利用できるため、究極的には無線通信業界の仕事に就く際に優位に立つことができます。Katti教授は他の大学とも教材を共有することを提案しています。それにより他の大学でもカリキュラムの初期の段階から無線通信の実践的学習に取り組むことで、有益な授業を数多く提供することが可能となります。

本ページで紹介した教材は、ni.com/coursewareでダウンロードできます。

Author Information:
Dr. Sachin Katti
Stanford University
236 Packard, Stanford University
Stanford, CA 94305
United States
skatti@stanford.edu

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