浮体式洋上風力発電プラットフォーム実海域実験用データロガー

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"LabVIEWを使用したプログラミングは今回が初めてであったが、トレーニングコースが充実しており、またサンプルプログラムも豊富にあり、様々な関数が用意されているため、比較的容易にシステムを開発することができた。 "

- 松熊 秀和 氏, 京都大学大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 構造力学研究室

The Challenge:
鋼・PCコンクリートのハイブリッドスパー型での1/10モデルによる実海域実証実験を行ううえで、浮体の動揺特性、アンカーチェーンの係留力、浮体に作用する力、および風速・風向の同時計測を行う。

The Solution:
データ集録システムにCompactRIO、プログラミングにNI LabVIEWを使いコストデータ集録システムを構築。

Author(s):
松熊 秀和 氏 - 京都大学大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 構造力学研究室

1. 背景
近年、地球温暖化対策として再生可能エネルギーを利用した風力発電などが注目されている。わが国でも陸上での実用化が進んでいるが、立地・騒音・景観等の問題から更なる普及を図るためには洋上風力発電、それも日本特有の急峻な海底地形に適した浮体式のプラットフォームの開発が必要となっている。

当研究室では、定格出力2MWの風力発電機を搭載した直径約10m、喫水約70m(水中部分)のスパー(円筒)型浮体基礎を想定実機として、これまで1/100モデル、1/20モデルによる水槽での模型実験を行っている。

これらの実験では、模型に貼付したマーカーによって画像解析を行い、浮体模型の動揺を計測した。

この度、鋼・PCコンクリートのハイブリッドスパー型での1/10モデルによる実海域実証実験を行うこととなり、浮体の動揺特性、アンカーチェーンの係留力、浮体に作用する力、および風速・風向の同時計測を行う。なるべくコストをかけずに計測器を用意する必要があり、NI CompactRIO・LabVIEWを使用することで意図するデータ集録システムを構築することとなった。

2. 課題
1/100モデルおよび1/20モデルによる水槽での模型実験では、造波機によりある一定の波周期・波高の入射波を与え、その条件下での動揺の計測を行っていた。今回は実海域実験であるため、どういった条件下でどのような動揺が起こるのかを検証する必要がある。そのため、上記データ集録システムを構築するにあたり、それぞれの計測データの同期をとらなければならない。作用力あるいは風速などとの関連性を見るためである。さらに計測器ごとにサンプリング周期が異なるので任意の周期でデータを集録することができるようにする必要がある。

また、計測期間が長期に渡るため、保存されたデータを通信により随時確認して、必要に応じて他のハードディスクへ移動させることを可能にする。

今回の実験では、プラットフォームの離岸距離が約30mであるので計測器のケーブルを延長することでデータロガーを陸上に設置しての計測が可能であるが、今後より大きなモデルでの実験あるいは実機になるとより沖合になるので、このことも視野に入れてスタンドアロンなシステムを開発する必要がある。

3. ソリューション
3-1. システム構成
ハードウェア:CompactRIO、モジュール5枚
ソフトウェア:LabVIEW

データ集録システムにはCompactRIOを使用し、NI LabVIEWを使いプログラミングする。CompactRIOシステムは、ひずみゲージ計測を行うNI 9235×2、浮体の動揺計測を行う姿勢角検出器からCAN通信によりデータ転送を行うNI 9853×1、アンカーチェーンの係留力を計測するロードセルと接続するNI 9219×1、計測データをSDメモリカードに保存するNI 9802×1の合計5枚のモジュールで構成される。また、CompactRIOのリアルタイム組込コントローラのシリアルポートを使用して、風車コントローラから転送される風速、風向、および風車の発電圧・電流、RPMの数値データを読み込む。

システムで集録されるデータはLAN接続されたパソコンによりリアルタイムで監視できるようになっている。

3-2. 結果
LabVIEW FPGAツールを使うことで、モジュールごとに各計測項目のサンプリング周期変更やサンプリングタイミングの同期を簡単に行えるようになっている。また、SDカードをマウントすることで、FTP通信により保存されたデータの確認、取り出し、処理、および解析を行うことも可能である。また、CompactRIOシステムを使用することでスタンドアロンな操作も実現できている。

LabVIEWを使用したプログラミングは今回が初めてであったが、トレーニングコースが充実しており、またサンプルプログラムも豊富にあり、様々な関数が用意されているため、比較的容易にシステムを開発することができた。

今回の開発ではデータ集録システムとしての開発にとどまったが、カスタマイズ性の高さから風力発電機の制御システムとしての機能も持たせることができると考えている。

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