LabVIEWとUSB DAQを使用した磁化特性測定装置の開発

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"本装置では、全ての電気回路を内製化し、計測制御部をNI USB-6009(USBマルチファンクションDAQ)でまとめることで設置面積を10分の1にコンパクト化させ、価格を半額以下に抑えることに成功しました。"

- 株式会社東栄科学産業 技術部次長 板垣 喜一氏、 技術部開発室長 柳  邦雄氏、, 宮城工業高等専門学校 電気工学科 助教授 小澤 哲也氏

The Challenge:
磁化特性測定装置は、磁気記録装置や携帯電話、モーターや発電機などの多くの電気回路で使用されている磁石の特性を測定する装置であり、磁石材料の研究を行なうには最優先に備えるべき装置です。 しかし、現状の磁化特性測定装置は、加振制御の波形発生や駆動アンプ、振幅フィードバック、印加磁場検出、検出信号処理用ロックインアンプ、感度切替や位相調整等の各々の構成要素が専門メーカーの購入品で対応しているため、装置に付帯する計測制御機器の設置面積が大きく、購入価格も高額になるという問題がありました。また装置の操作画面は、テキストベースの操作画面が主流であり、操作方法を理解することが難しいという問題がありました。

The Solution:
本装置では、これらの全ての電気回路を内製化し、計測制御部をNI USB-6009(USBマルチファンクションDAQ)でまとめることで設置面積を10分の1にコンパクト化させ、価格を半額以下に抑えることに成功しました。また、LabVIEWプログラミングソフトウェアを導入することで、ユーザフレンドリな操作画面を実現し、更にLabVIEWの数値解析機能を取り入れることで、測定結果の磁化特性解析操作を容易なものとしました。

Author(s):
株式会社東栄科学産業 技術部次長 板垣 喜一氏、 技術部開発室長 柳  邦雄氏、 - 宮城工業高等専門学校 電気工学科 助教授 小澤 哲也氏

USB-6009について 

本装置には位相情報出力、磁界測定用のガウスメータ出力、現在の磁界設定値出力、プリアンプの設定値出力、磁界測定用のガウスメータのレンジ出力、時定数出力、振動部分の制御、補正信号の入出力、外部磁界制御信号などの多くのアナログ入出力とデジタル入出力の信号制御が必要となっています。これを各々計測器に接続してGPIB制御を行なおうとすると、通信速度が遅いために制御の速度が遅く、また装置全体が大きくなってしまう問題がありました。しかし、USB-6009は14ビットで高分解能なアナログ入力端子を8チャネル、アナログ出力端子を2チャネル、デジタルI/O端子を12チャネル備えており、これだけ多くの制御信号をたった一つのUSB-6009で完全に制御することができました。 また、これだけ多くの機能を有しているのにもかかわらず低価格であり、開発における大幅なコスト削減を達成できました。 USB-6009は、回路基板のみで提供する安価なOEM版が選択できるので、OEM版を利用することにより大量出荷に対応できます。 

 

 LabVIEWについて

 本測定装置の制御に採用したLabVIEWは、USB-6009の機能を全て引き出す環境であり、全ての制御信号のプログラミングが可能です。 従来の磁化特性測定装置の操作画面は、テキスト入力であり、ユーザには馴染みにくいものでした。また、操作のやり直し機能もなく、誤操作に気がついたときは測定条件を最初から再設定しなければなりません。しかし、本装置で採用したLabVIEWはグラフなどの各オブジェクトがツールとして用意してあるので、非常に短時間で操作性に優れたフロントパネルの設計が可能でした。また、LabVIEW特有のWhileループとケースストラクチャによるステートマシンプログラミングを適用することで、いつでも「操作の中止、やり直しが可能なアプリケーションソフトウェア」として完成することができました。 更に、プログラムソースコードに相当するブロックダイアグラムはグラフィカルプログラミングの環境であり、まるでプログラミングのフローチャートを思い描く感覚だけでアプリケーションソフトウェアを完成することができ、新機能追加時の修正も簡単でした。 測定した磁化特性には、異方性磁界や透磁率などの重要な情報が含まれています。従来型の磁化特性測定装置は、磁化特性を印刷し、定規を使用して異方性磁界や透磁率を算出する必要がありました。しかし、LabVIEWのグラフにはカーソル機能があるため、グラフ上に描かれた磁化特性の任意の点を選択して、瞬時に特性の算出ができるようになりました。 また、ナノスケールの微小な磁性材料の磁化は小さく、磁化特性上にノイズが目立つようになります。本装置では、LabVIEWの解析関数を使用することでノイズを大幅に減少させ、高分解能化に寄与しました。

 

 

測定画面
各条件はマウス選択で設定可能であり、従来の製品にはない非常に使いやすいものとなっています。

解析画面
測定した磁化特性は、簡単な操作で異方性磁界や透磁率、飽和磁化などの重要な要素を即時に算出できます。

信号処理画面
磁化が小さくノイズが多い場合は、LabVIEWに含まれる解析関数を適用することによって、ノイズを除去できます。

 

 

Author Information:
株式会社東栄科学産業 技術部次長 板垣 喜一氏、 技術部開発室長 柳  邦雄氏、
宮城工業高等専門学校 電気工学科 助教授 小澤 哲也氏

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