光無線通信システムにおける移動端末の位置検知及びユーザ情報認識
Author(s):
産業技術総合研究所 情報技術研究部門 - 林 新氏
Industry:
Research
Products:
Analog Image Acquisition Devices, LabVIEW, Vision Development Module
The Challenge:
1)単数のカメラによる複数の移動端末の同時発見
2)画像の幾何マッチングによる移動端末の位置検知
3)端末通信画面輝度の時系列変化を測定することによるユーザ情報認識
The Solution:
カメラによる端末位置の取得とユーザ情報の認知光通信システムを図1に示す。
"本研究の核となったハードウエア画像集録ボードNI PCI-1409とソフトウエアNI Vision 8.0 およびLabVIEW 7.1の持つ魅力的な連続画像解析、処理機能を利用することにより、幾何不変なパターン認識、多パターンの同時的検知、連続画像の実時間処理のような難しい問題においても、簡単なプログラムで解決でき、想定の装置操作機能を実現することができました。"
背景
カメラを使ってウエアラブル環境に空間光情報通信を実現するためには、ユーザに伴って移動している多端末の物理位置を同時に取得することと、端末から発信したユーザメッセージを載せた時系列ビデオ信号を解析する必要がある。
課題
1)単数のカメラによる複数の移動端末の同時発見
2)画像の幾何マッチングによる移動端末の位置検知
3)端末通信画面輝度の時系列変化を測定することによるユーザ情報認識
上記のような幾何不変な動画解析・追尾・処理及びビデオカメラの制御を行う場合、C言語又はUNIXなどを使えば、応用プログラム作成の複雑さ、特に幾何不変な多動画の同時的検出及び時系列ビデオ画像の高速処理は問題である。
ソリューション
1. システム構成
カメラによる端末位置の取得とユーザ情報の認知光通信システムを図1に示す。環境側には、L EDを取付けたカメラを設置し、LEDをビデオ画像信号の伝送媒体として使う。また、カメラの開口に赤外フィルタを取付けたので、端末からのユーザ情報を載せたビデオ信号のみが環境装置に受信される。情報処理側には、NI社製の画像集録ボードNI PCI-1409をカメラと計算機に接続し、LabVIEW 7.1のプログラムにより、背景雑音に埋め込まれた移動端末位置を検出するとともに、端末から発信した時系列反射率変調画像信号の解析を行う。
図1. カメラによる光無線通信システム
図2 は、課題1 )、2 )を解決するための端末位置検知LabVIEWプログラムの実行例である。図2に示すような端末通信画面の形状は理想的な矩形であるので、NI Vision 8.0の幾何マッチングツールを使って、受信カメラ視野の中に複数移動端末位置を同時に検知することが実現した。この方法では、複数のパターンを同時に検索する際に、スコアの高い順、すなわち参考端末と一番近いものから順番に捜査してマッチングを行う。図2の左上から右までには、それぞれ参考端末パターン、マッチされた幾何不変な端末及び各瞬間の端末の中心位置と輝度値であり、下の部分には、注目された(高スコア)一つの端末の軌跡と輝度の時系列グラフを表す。
図2. 多端末位置検知プログラムの実行例
図3は、課題3を解決するためのユーザ情報認識LabV I EWプログラムの実行例である。図3の左上には、ある時刻、カメラ視野内で輝度を変えて点滅するテスト端末であり、上の黒い枠に、明滅変化の端末画面を連続的に撮影することにより得られた時系列信号を示す。画像集録ボードNI PCI-1409はこのような光強度変化の画像変調信号をコンピューター処理可能なデータに変換し、LabVIEWプログラムによる閾値処理を行って、下の枠に示している二値信号が得られた。さらに、この二値信号からコード解釈することにより、ユーザ興味に合せた情報コンテンツを得ることができる。
図3. ユーザ情報認識のプログラムの実行例
2. 結果
図4は、カメラと端末との距離が約1.2 m−2.2 mの場合、1つのカメラでの多端末位置検出の結果である。図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ無雑音の環境での幾何不変及び塞いだ端末の認識結果を表し、図4(d)は、環境雑音を吸収する結果である。画面中心に赤色正方があるパターンは、同時にマッチされた端末の中に、最高スコアの1つを表す。
図4. 多端末位置の検知結果
図5は、ユーザ情報認知の例として、多言語コード解釈の実験過程と結果である。実験では、各情報は上位4ビットのスタートコード「0010」と下位4ビットのデータコードからなる。異なる端末ボタンを押せば、通信画面輝度がそれぞれ各自の情報コード「00101101」と「00101110」により明滅変調され、時系列的な信号を出力する。二つのコードと対応する情報コンテンツは、ある情報内容(ここではニュートンの林檎の木の写真)に対して、ユーザの意図に合せて言語を切り替えた説明(ここでは日本語と英語)である。
図5. 多言語情報の認知結果
本研究の核となったハードウエア画像集録ボードNI PCI-1409とソフトウエアNI Vision 8.0 およびLabVIEW 7.1の持つ魅力的な連続画像解析、処理機能を利用することにより、幾何不変なパターン認識、多パターンの同時的検知、連続画像の実時間処理のような難しい問題においても、簡単なプログラムで解決でき、想定の装置操作機能を実現した。
謝辞
同部門の共同研究者伊藤日出男氏に深く感謝いたします。
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