自動モータ評価システム
Author(s):
太陽計測株式会社 営業本部 通信・測定器営業部 - 秋山 日出男氏
Industry:
Automotive
Products:
CAN, LabVIEW, PXI/CompactPCI
The Challenge:
自動化システムには、安全、データ信頼性、工数削減を実現することが課題となります。
The Solution:
LabVIEW、PXIを基本とし、CAN、GPIB I/Fで機器を接続した計測システムとしました。
"LabVIEW、PXIの構築性、拡張性のよさは計測システムの開発に貢献しています。"
背景
地球環境への配慮、排気ガスの低減、省エネへの関心が高まりモータに要求される機能は多種、多様になっています。シミュレーションが発達した現在でも最終的に負荷をかけた実機による評価試験を行う必要があり、開発時間がかかる原因になっています。開発時間の短縮、品質向上、コスト削減を同時に実現するため、モータ評価の自動化が求められました。
課題
自動化システムには、安全、データ信頼性、工数削減を実現することが課題となります。
1. インバータの設定内容
計測を行うには、供試、負荷モータの設定内容を変更しながら行う必要があり、設計者、熟練者による経験が必要となります。
2. データの信頼性
同じ測定手順、条件でデータ収録を何度でも行えることが求められます。
3. 多くの試験項目
効率の良いモータを開発するには、全回転域において、位相、トルクなどの組み合わせを変えながら試験を行う必要があります。
4. 安全性
開発段階での計測のため、供試モータ、インバータが想定外の動きをする場合があります。供試機材を極力保護し、周辺機器の破損、試験者への怪我などの2次災害を防ぐ必要があります。
5. シミュレーションへの展開
今回は、データ収録、評価の自動化が主目的です。今後の展開としてシミュレーションへのデータ展開も考慮する必要があります。
ソリューション
LabVIEW、PXIを基本とし、CAN、GPIB I/Fで機器を接続した、計測システムとしました。
−機器構成(標準構成)−
・対向型モータベンチ ・トルクメータ
・負荷モータ/インバータ ・直流電源 ・バッテリー ・パワーメータ
・計算機 NI PXI ・コントローラ :NI PXI-8186 2.2GHz・CAN I/F :NI PXI-8461 (高速)
図1. システムブロック図
課題の実現
対向型モータベンチの構造として、供試側と負荷側の間にバッテリーを配置し電力を環流することで省エネ、省スペース、ランニングコスト低減を実現し、計測機材にNI PXIを採用し拡張性を重視した機器構成としました。
自動計測用として、温度、回転数、インバータエラー信号を使用し安全機能を確保したアプリケーションソフトウェアを実現しました。
導入効果
開発者の評価試験にかかる時間の削減と再現性がポイントです。評価試験を含め開発者が全て行っており、開発にかかる時間の短縮や、操作手順、タイミングなどが異なることから再現性のある計測が難しいのが実情でした。試験手順の標準化を行い評価試験の自動化を行うことで、開発者の評価試験にかかる時間を減らし、同じ条件で試験を繰り返し行うことを可能とし、信頼性のある製品開発を効率よく行える自動評価システムを実現しました。
1. 全回転域での特性試験の自動化
・設定からデータを一元管理
・初心者でも試験を行える
・データの再現性の確保
2. 試験時間の効率化
・全試験:1/33週間→1~1.5週間/台
・データ収録時間単体:1/10
3. 安全性の確保
・ 安全機能を入れ、無人によるデータ収録と同時に試験者の工数削減も実現
まとめ
富士重工業殿は、産業機器用電動車両、産業用電動機器などのモータ開発の現場で本システムを使用しています。
CO2をはじめとする温室ガス削減が求められる中、特に運輸部門においては、2003年度のCO2の排出量が1990年度比19.8%増加するなど、排気ガス削減に向けた具体策が必要な状態です。このような背景の中EVなどが注目され、効率の良いモータ開発が急務となっています。
富士重工業㈱殿では、東京電力㈱殿と東京電力の業務車両に適した40 kW独自開発モータ搭載のEV共同開発をおこない運用を開始しています。
8,300台の業務車両のうち1,500 cc以下で走行距離80 km未満の3,000台を対象にEVへの転換の可能性について検証を行っています。仮にこれが実現するとCO2排出量で年間約2,800 tの低減効果とともに1.9億円の燃費削減効果が期待されています。
<備考>まとめは以下からの抜粋です。
東京電力業務用電気自動車共同開発について
平成17年9月2日 東京電力㈱/富士重工業㈱
プレス発表記事からの抜粋
開発中のEV車両 スバルR1e
本計測システムは、環境に優しい製品開発現場で使用され、ユーザーからのフィードバックより常に成長を続けています。LabVIEW、PXIの構築性、拡張性のよさは計測システムの開発に貢献しています。
太陽計測は、アプリケーションソフトウェア開発および、システムの販売を行っています。
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