NI LabVIEW PDA ベースシステムを使って医療緊急隊員の人命救助の効率化を実現
Author(s):
Mink Hollow Systems 社 - David McAndrew氏
Active Signal Technologies 社 - John Sewell氏
Mink Hollow Systems 社 - Edward Delaplaine氏
Industry:
Life Science
Products:
Machine Vision, LabVIEW, Data Acquisition, PDA Module
The Challenge:
緊急医療隊員が患者の神経状態を確かめ、外傷性脳損傷(TBI: traumatic brain injury)の早期発見や、発作の診断と識別を行うポータブルな無侵襲計測器を実現する。
The Solution:
Pocket PC、LabVIEW PDAモジュール、NI 計測ハードウェアDDK for Pocket PCを使用して信号を測定・処理するシステムを迅速に開発。当社のソリューションで、緊急医療隊員へのポータブルな無侵襲計測器の迅速な配備が実現したほか、患者の脳損傷の状態を診断する上での精度が向上した。
"この画期的な技術が進歩し続けるのに伴い、LabVIEW PDAモジュールは、救急医療における診断の迅速化と人命救助のサポートに役立つのに加え、医療業界だけでなく様々な業界で行われるテストに必須のテクノロジの1つとして機能します。"
小型ながらもパワフルな監視機能
米国国立衛生研究所、神経疾患卒中研究所(NationalInstitute of Neurological Disorders and Stroke)による助成金を受け、Active Signal Technologies社とMinkHollow Systems社は、PDAベースのLabVIEWアプリケーションを開発しました。医療専門家は、このアプリケーションを利用して発作と外傷に関連する生理学的データを直接監視し、データ処理を行うことにより病院到着前に脳の状態を確認できるようになりました。このハンドヘルドデバイスは小型であるため、救急車や救護用ヘリコプタに配備できる上、診断に必要な信頼性の高い非侵襲性の応答データを、緊急医療隊員に提供するのに十分な機能を備えています。この機器は軍事環境や救急医療環境など、診断機材が限られる、救急を要する現場で使用されるのに最適なサイズと機能を備えています。
人命救助のニーズに応える
頭部への傷害や脳卒中の処置は、時間との戦いであるため、救急車の中などでの迅速なプレホスピタル(病院到着前の) ケアが不可欠です。(その早期処置の必要性を表す言葉として、医療専門家の間では、「外傷治療のゴールデンアワー」や、脳虚血発作に対する血栓溶解剤の「3時間以内の投与」というような表現方法があります)しかし、レントゲンなどの診断装置は非常に大きいため、こうした装置を利用したプレホスピタル診断は以前は不可能でした。しかし、LabVIEW PDAモジュールの登場により、手のひらサイズの機器を強力な診断ツールに変えることが可能となりました。不便でかさばる装置に代わる理想的な装置として、ハンドヘルドPDAデバイスは、医学界において広く利用されています。しかし、そのほとんどは記録管理やその他のデータベースアプリケーションで利用されているのが現状です。現在では、LabVIEWを装備したPocket PC発作監視装置を、プレホスピタルケアを行う救護隊が利用できるよう、準備が進められています。まだ開発中ではありますが、データの集録機能と解析機能をコンパクトなPDAと組み合わせたこの装置は、救急車や救護ヘリにも難なく搭載できます。現在、Mink Hollow Systems社とActive SignalTechnologies社が共同開発したシステムをMarylandEmergency Medical Services Systems社がテストしています。具体的には、外傷は救護ヘリで、発作の早期識別は救急車でテストを実行しています。米軍では現場での頭部障害診断が重要なニーズとなっているため、同じ技術を役立てることを検討しています。
コンパクトなソリューションの開発
Mink Hollow Systems社とActive Signal Technologies社は、以前にも共同で、病院の救急治療室で使用するためのノートPCベースの脳診断モニタを作成しています。このモニタは、脳外傷の迅速な診断と発作の種類による早期識別を行えることで、大きな成功を収めました。しかし、救護ヘリや救急車内はスペースに限りがあり、輸送中やプレホスピタル処置では使い勝手が悪くなるため、大きくて扱いにくいノートPCベースの本システムを廃止しました。これにより、緊急医療隊員が救急車と救護ヘリ両方の環境でテストを実行できるような、ノートPCより小型の診断装置を作成するという開発第二フェーズを開始しました。この結果、右写真に示すような、非侵襲性のポータブル脳診断システムが完成しました。重さはわずか454グラムで、大きさは信号調節クレードルを入れても14cm×9cm×6cmという、非常にコンパクトなシステムになりました。Active Signal Technologies社は、救護ヘリや救急車内などの不安定で騒音の多い環境での非侵襲性の計測に適した次世代のセンサを並行して開発しました。MinkHollow Systems社は、ソフトウェアのサイズを縮小し、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)やファイルI/Oなどの機能は変更したものの、従来のシステムで使用されていた重要な信号処理技術はそのままPocket PCに組み込むことに成功しました。LabVIEWをPocket PC上で利用できるようになったため、Pocket PC用に他の言語でプログラムを書き直したり、データ集録用PCMCIAカードの選択・ドライバの書き込み・機器のテストなどを行うために必要な多くの開発時間を削減することに成功しました。
現場・病院と、複数の環境で欠かせない診断機能
当社はMaryland Emergency Medical ServicesSystemsと協力して、救急車と救護ヘリ内で本システムのテストに成功しました。今後は、患者の診断をさらに容易にするためのワイヤレスセンサの開発や、GUIとデータ処理の改善などを行います。また、センサの互換性を広げ、ウィンドウ処理機能を追加することでソフトウェアの多様性を拡張します。さらに、LabVIEWの特長の一つでもある、PDAワイヤレスネットワーキング機能を利用すれば、緊急輸送車両が到着次第、プログラムを病院のリモートネットワークにすぐに接続して、患者の状態やデータを即座に効率的かつ正確に転送できると見込んでいます。このデバイスの開発が完了したら、FDAの認可を得るべく申請する予定です。大規模な米国救急医療界に加えて、軍事市場や国際市場でもこのシステムのメリットは適応できます。Active Signal社はイラクとアフガニスタンの両国において、診断機能を求める声に応え、脳外傷の早期診断を援助しています。

患者回復率の増加
正確な診断は、外傷のある場合において非常に重要であり、診断を受けるが早ければ早いほど、患者の完全な回復の可能性は高くなります。緊急医療隊員が利用できるツールが限られていると、こうした診断を行うのは困難な場合があり、結果として、処置までに時間がかかってしまうことがあります。当社は、強力なノートPCベースの病院診断ツールに着目してきましたが、Active Signal Technologies社のセンサと、LabVIEW PDAモジュールを使用して、PDA上に移行するためにコードを修正しました。このハンドヘルドデバイスにより、非侵襲性の脳診断と迅速な処置が可能になり、患者が完全に回復する可能性が増えます。救護用ヘリコプタと救急車環境でのテストで成功を収めた本システムは、45,000件の救急医療プラットフォームを含む医療業界に大きな影響をもたらすでしょう。この画期的な技術が進歩し続けるのに伴い、LabVIEW PDAモジュールは、救急医療における診断の迅速化と人命救助のサポートに役立つのに加え、医療業界だけでなく様々な業界で行われるテストに必須のテクノロジの1つとして機能します。
Related Case Studies
ロッキードマーティン社: ジェットエンジン吸気口の評価を実現LabVIEWを使用したダイナモメータのリアルタイム制御
NASA : NI LabVIEWを使用して、レーザービーム特性の統合評価を長期的に実行できるテストシステムを実現
コスト削減に貢献したELVISワークステーションによる医学教育機器の製作
Innoventor 社PAC プラットフォームをインダストリアルオートメーションに採用
|
|

