燃焼振動研究における計測系の構築及び実験自動化

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"操作に必要な人員を2名から1名に削減し、従来の約1/10まで実験時間を短縮することができました。"

- 林 光一教授, 青山学院大学理工学部機械創造工学科 航空宇宙システム研究室

The Challenge:
効率的な燃焼振動の制御法を構築するために、燃焼振動に代表される不安定燃焼を計測・解析するためのシステムを開発する

The Solution:
PXIシャーシにPXI-8176コントローラとEシリーズマルチファンクションDAQのPXI-6070Eをインストールしたものを使用。ソフトウェアはLabVIEW 7.0と信号処理ツールキット、LabVIEW音響/振動解析ツールキットを使用

Author(s):
林 光一教授 - 青山学院大学理工学部機械創造工学科 航空宇宙システム研究室

課題:
効率的な燃焼振動の制御法を構築するために、燃焼振動に代表される不安定燃焼を計測・解析するためのシステムを開発する。燃焼振動を解析するにあたり、圧力、音、発光、温度を同時に計測し、それらのデータの統合的な処理を行うことが必要となる。また、以前は燃料供給の制御や点火動作などが手動で行っており、非常に時間と手間がかかり危険であったため、実験装置をLabVIEWで制御することによってこれらの問題の改善を行う。

ソリューション:
PXIシャーシにPXI-8176コントローラとEシリーズマルチファンクションDAQのPXI-6070Eをインストールしたものを使用。ソフトウェアはLabVIEW 7.0と信号処理ツールキット、LabVIEW音響/振動解析ツールキットを使用。PXIのRS-232Cインターフェースを用いて主流のメタンと二次系の流量計を、EシリーズマルチファンクションDAQボード(PXI6070E)のAnalog Outを用いて空気流量計と高速電磁弁を制御している。(高速電磁弁と二次系は火炎の制御に使用している。)ボンベから出た気体はそれぞれ流量計を通り、混合器によってメタン-空気混合ガスとなった段階で燃焼室に送られ着火される。また二次系はさまざまな気体を流すことができ実験条件の拡張が可能である。現在は電磁弁の開度を設定できるが、将来は燃焼振動低減のためにリアルタイム制御を予定している。点火は自動車用のCDI点火装置を用い、それにカウンタ信号を送ることによって火花点火する。また、センサ系からの入力はアンプを介してAnalog Inに入力される。

開発したインターフェースを図3、図4に示す。図3は、多チャンネル随時波形確認、波形集録が可能なVirtual Instrument(VI)である。現在は圧力センサ2個、マイクロフォン、フォトダイオード2個、熱電対(平均値)のデータを集録できる。集録したデータは波形形式で保存され、図4に示すVIで解析を行う。このVIでは同時に機器の制御も行っており、現在の流量や流量計の状態を見ることができる。実験終了時には「消火」ボタンを押すことにより逆火を防止した消火が可能であり、更に緊急時には「全閉」を押すことによって燃料と酸化剤を遮断できる。図4は、集録したデータを解析するためのVIである。この実験で解析を自動化しなかった理由は、我々の研究室では燃焼振動の解析にはまだ確立された手法が無いために、不完全な結果を出すのを避けるためである。このVIでは、波形の表示、FIRフィルタ、フーリエ変換、自己相関、相互相関、短時間フーリエ変換が可能である。波形の範囲をカーソルで指定することにより、指定した間のデータのみを処理できるようにした。また、波形データをテキスト形式に変換する機能をつけたために表計算ソフトでデータを処理できる。フーリエ変換機能では、FFT関数にデータを分割して与えることによって平均化機能を使うことができ、ノイズの少ないスペクトルを得ることが可能である。

まとめ:
LabVIEWの使用により、より精度の高い計測とデータ解析が可能となった。
燃焼の圧力、音、光量波形、温度の計測データを圧力センサ、マイクロフォン、フォトダイオード、熱電対を通じて同時に集録し、LabVIEWにて解析することを実現した。
以前は燃料と酸化剤の制御に手動のダイヤルを用い、点火にガスライターを使用していたため多大な時間と手間がかかっており、危険だった。新たに開発された実験システムでは、PCで装置を制御することができるため、こうした問題も同時に解決することができた。
計測データをPCへ移送する手間を省くことや、実験装置の設定が容易になったことで、操作に必要な人員を2名から1名に削減し、従来の約1/10まで実験時間を短縮することができた。

使用機器:LabVIEW7、PXI-6070E(データ集録ボード)、
BNC-2110(端子台)
測定項目:圧力・音・光量波形、温度
制御機器:流量計、電磁弁、点火装置
解析項目:振幅、フーリエ変換、相関関数、STFT、騒音解析

Author Information:
林 光一教授
青山学院大学理工学部機械創造工学科 航空宇宙システム研究室

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